千葉大学大学院医学研究院小児病態学(研究部門)と千葉大学医学部附属病院小児科(臨床部門)が一体となり医師の原点を忘れない診療・診察を心がけております

千葉大学医学部 小児病態学 Department of Pediatrics, Graduate School of Medicine, Chiba University

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研究概要(総論)

研究概論

良い診療を行おうとする医師はリサーチマインドを持たなくてはなりません。一般病院で一定期間、臨床に従事すれば、医師として一定のレベルに達します。その一方で、現在の医療では十分に満足する結果が得られない病態があることを実感すると思います。実際の疾患や患者さんは教科書やマニュアル通りではありません。大切なことは教科書やマニュアルの基礎となっている論理を理解し応用ができることです。リサーチマインドを持つ医師でなければ、マニュアルを実践する医療を超えて、現在の治療を検証し、難治性疾患の病態を解明し、疾患のよりよい治療、さらには根本治療を目指すことはできません。

リサーチマインドは簡単には身に付きません。ひとつひとつの症例にじっくり取り組み、症状や所見を合理的に分析して診断を進め、エビデンスに基づいて治療方針を考えていく作業が必要です。納得できない場合には文献にあたり、それでも解決しないときには自ら研究して明らかにしていく。この一連の過程で、合理性・合理的判断を身につけ、客観的批評に耐えうる診療能力が身に付きます。

大学病院の特色は、一般病院では行えない研究にあります。研究は新しい医学を切り開くものであり、大学病院の重要な仕事のひとつです。研究というと動物実験や試験管を振る基礎研究を思い浮かべると思いますが、ヒトを対象とする臨床研究も非常に重要です。臨床研究・基礎研究の最終的な目標は疾患の治療・予防です。そのような介入研究は臨床試験により行われますが、すべての医療機関で行えるわけではありません。千葉大学医学部附属病院は厚生労働省が認可した全国5つの臨床研究中核病院の一つであり、当小児科も積極的に新たな治療・予防法の検証に参加しようとしています。

当小児科ではリサーチマインドを持つ医師を育成するために大学院進学を積極的に推進しています。若い時に、一定期間、臨床研究・基礎研究に集中し、リサーチマインドを有する医師として長く小児の医療に従事してほしいと思います。研究を通じて、疑問に対し客観的な検証を行う経験は、その後、臨床の現場に戻っても有用で、医師としての考えの幅が広がることと思います。研究成果を論文として発表し、自分の研究を記録として残すとき、大きな達成感を得ることができます。機会があれば留学も経験してください。人生を通じての大きな財産となるでしょう。大学院や留学は「cultivate oneself(自分を耕す)」の良い機会です。

教授 下条 直樹